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うつ病…「子供たちのサイン」 年代によるうつの傾向

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子どものうつが大人とうつと違う点の1つは、その苦しみな「言葉」では表現されず、「行動」面の変化(動きが不活発になる、不登校など)や、イライラ感として現れがちなこと。もう一つは、不眠、食欲不振、(あるいは過食)など「身体」面での症状を主に訴えることです(これも言葉で表現されないことの裏返しだと言えるでしょう)。

夜尿、摂食障害などの症状も一緒に現れやすく、うつ症状がときによくなった代わりに摂食障害など別の症状が最前面に出てくる時期がある、などといった特徴も見られます。

こうした特徴は、青年期の若者のうつでも共通しています。思春期や青年期の女性の場合には、抑うつ感が寂しさや虚しさとして感じられ、性的関係に補償を求め、相手への依存へ陥ったり、性的被害を受けたりすることも出てきます。

思春期・青年期に現れるうつは、引きこもり(スチューデント・アパシー)や、性・薬などへの依存を伴う「境界性人格障害」「摂食障害」などの症状を併せ持つことが多くあります。また、診断も治療も難しい「逃避型うつ」は、主にこの年齢層に多発します。

ただ、大人への移行期で、精神的に不安定になりがちな子どものうつに対処するには、大人に対する時以上に慎重でなければなりません。そのため、薬物療法などの医学的な治療よりも、心理療法による心理的な援助が子どものうつへの主の対処法になっています。

壮年期になると、女性では被害感を伴ったうつ症状が多く見られます。それは、ときに周囲への攻撃性に転じ、暴力を振るったり物を壊したりすることもあります。男性では、過労の他、職場でのいじめやリストラ絡みの問題が引き金になるうつも増えています。 

初老期には、男性は性機能などの身体の衰え、女性は更年期が引き金になったうつが多くなります。また、子供の成長、仕事内容の変化、夫婦関係の変化などの切り替わりがうまくいかないときに発症しがちです。

配偶者の喪失を契機に、しばしば認知症(痴呆)と混じったうつが現れることも多く、そこに妄想が加わる場合もあります。



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季節性のうつ

うつの中には、秋から冬になると、または夏になると症状を現し、その季節が終わると症状が消えたり軽くなったりするものがあります。その中で、うつとは異なる心の不調や、心理的・環境的・社会的な問題(人間関係や仕事上の悩みなど)が原因ではないものを、「季節性うつ(季節性感情障害)」と呼びます。

季節性うつは1980年代に提唱された概念です。

冬に発症するものは、日照時間が短い高緯度地方(日本では新潟など、秋以降に天候が悪くなりがちな地域も含みます)で、比較的若い女性の間で多く見られます。

症状の特徴は、抑うつ状態・焦燥感・不快感・意欲の低下などで、「身体の調子が悪い」と訴える人も多くいます。また日中から夕方にかけて強い眠気が襲ったり、1日近く眠り続ける過眠に陥ったり、炭水化物や甘いものを大量に食べる過食になったりすることもあります。

ちなみに、治療法としては、朝方に数時間強い光を浴びる「光療法」や、1日眠らないで起きている「断眠療法」などが、抗うつ薬などよりも有効とされています。


引きこもりとうつの関係

最近の社会問題の1つに、「引きこもり」(長い期間家や自分の部屋から出ようとしなかったり、閉じ込められてもないのに出られない状態)というのがあります。

引きこもりはすべて「うつなどの心の不調の結果である」という見方をする人がいる一方で、医学的には明確な原因がなく、「純社会的な要素(生きにくい社会になっているなど)によって引き起こされている場合もある」という見方をしている人もおり、結論はまだ出されていません。ですから、引きこもり=うつと即断することはできませんが、引きこもりの中にうつを原因としているものがあることは確かなようです。

引きこもりにもいろいろなタイプがあり、「世の中なんてくだらねえ」と、社会を否定するような考えから引きこもる人もいるようですが、うつの人のそれは、もっと弱く、受け身的な状態です。

まずは、不眠などで朝起きられないという単純な〈身体的反応〉として、外出ができなくなります。そして、「外に出るのが面倒くさい」「外出の支度をする気にならない」「ベッドから出る気力がない」というように〈気力の低下〉があり、「人と会うのが億劫だ」「人と会うと疲れる」という疲れやすさ、そして「人と会っても上手に話せない」「期待される仕事ができない」という〈思考障害〉などから〈社会機能が低下〉し、さらには、「自分がいたら迷惑」「どうせ自分は役に立たない」といった〈否定的・悲観的な考え方(認知の偏り・妄想的内容)〉などのため、外出を避けるようになるのです。

感情面でのうつの兆候を「心理的」サイン、からだの面での兆候を「生物的」サインと呼ぶなら、この引きこもりは、対人関係や外部との関係における「生活」面でのうつの兆候、いわば「社会的」サインと呼ぶべきものです。

子供の不登校や会社員の出社拒否などの中には、このようなうつによる引きこもりが少なからずみられます。また、主婦などの場合には、引きこもりは目立たずに、家事を回避(家事不能)するというかたちで現れます。

なお、対人場面を避け、引きこもりになると、ますます自己否定的・自己卑下的となり、自信を失い、うつ状態は深刻になっていきます。



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